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内分泌・糖尿病内科

概要と特色

当科は、血糖コントロールの難しい糖尿病や、専門的な検査・治療を要する内分泌疾患(ホルモンの過不足に基づく病気)を多く診察しています。ほとんどの患者さんは地域の医療機関からのご紹介、または他科からの紹介にて受診されています。一人一人の“身体に合った治療法”をご提案できるように最新の情報を学会等で得ながら診療に反映させています。

主な疾患と治療について

糖尿病には、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の原因のある糖尿病、妊娠糖尿病といった4つの病型が存在します。いずれの病型に該当するのかを見極めた後に、それぞれの病型に合った治療法をご案内しています。特に手術や他疾患の治療をきっかけに血糖コントロールが増悪してしまう患者さんには、主治医と連携してきめ細かな調整をお届けしています。近年、インスリンとは異なる注射製剤として“GLP-1受容体作動薬”が登場してきました。低血糖も起こしにくく、他の処方薬が減らせるというメリットもあります。肥満や過食に悩まれる患者さんには特に適した治療薬としてお選びいただいています。

甲状腺疾患には、ホルモンが過剰に分泌されるバセドウ病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎*などがあり、またホルモン分泌が不足する慢性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎などもあります。さらにホルモン値はほぼ正常であっても良悪性の鑑別が必要となる濾胞腺腫や甲状腺癌**のような疾患も隠れています。将来的な発症まで見通してご助言できるように丁寧な検査と診断を心がけています。甲状腺疾患の自覚症状としては、前頸部腫脹、動悸、息切れ、暑がり、倦怠感、体重の減少、寒がりや下肢のむくみなどが知られています。このような症状に悩まれましたら、まずは近医でホルモン値を測定していただくことがお勧めです。

原因不明の倦怠感で受診される患者さんの中には、下垂体前葉機能低下症副腎不全といった疾患が見つかることがときどきあります。朝食前や夕食前というような特定の時間帯に顕著な症状が現れる場合や、食欲不振や嘔気、意識喪失などを伴う場合には、一度血糖値やホルモン値を確認してみることが勧められます。

原発性アルドステロン症は、副腎からのホルモン過剰分泌が基となって発症する特殊な高血圧症です。とは言え、全高血圧症例の10%近くを占めていることが最近の研究で判ってきました。30歳代で既に高血圧を発症する例もあり、多くは薬剤抵抗性であって、低カリウム血症や肥満症、糖尿病などを伴う例が観られます。そして約半数の症例で手術適用があり、治癒が期待できるというのも特徴です。当院で疾患のスクリーニングから治療までの全てを行うことができます。

これらの他にも、原因不明の低ナトリウム血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症、亜鉛欠乏症などから不調を訴えられる患者さんがいらっしゃいます。
十分な診察の後に必要に応じて検査をご案内しています。

*** の疾患の詳細については、広報誌とうかい第57号、第59号をそれぞれご参照ください。

特殊外来

甲状腺クリニック

甲状腺疾患の診断・治療の流れ

前頚部のはれや眼球突出などが気になる方、健康診断や人間ドックで甲状腺について指摘された方は、内分泌専門医を受診いただくことをお勧めします。

甲状腺に腫瘤が見つかった場合は良悪性を判定するために、穿刺吸引細胞診ならびに病理診断を行う場合があります。

エコー所見において良性病変の可能性の高い場合は、年に1回の経過観察となることがほとんどです。

穿刺吸引細胞診とは?
【どんな検査なの?】

甲状腺内に腫瘤があり悪性腫瘍との鑑別を必要とする場合には、腫瘤へ直接針を刺し細胞を採取します。採取した細胞は顕微鏡を用いて観察し、良性か悪性かを判定します。
検査時には最初に穿刺部位を消毒し、清潔な状態を保ちます。超音波(エコー検査)によって安全を確認しながら細い針にて腫瘤を穿刺します。細胞を確実に取るために、1箇所あたり2~3回の穿刺を行います。

【当日の流れ】

検査を受けられる方は、前開きや襟元の開いた服装で来院してください。ネックレスやネクタイなどは検査時には外していただきます。食事の制限はありません。
検査時間は入室から退室までが20分程度です。検査後はすぐに帰宅できます。ただし、2時間程度は激しい運動は避けていただきます。それ以降は体調に問題がなければ通常の生活で大丈夫です。当日の入浴も可能です。

【甲状腺専門チーム】

当院では経験豊富な甲状腺専門医のもと、診療放射線技師、臨床検査技師、看護師が専門のチームを組んで検査にあたっています。患者さんに安心して検査を受けていただけるよう日々努力しています。
平成28年12月1日、当院は岐阜県内で2施設目の日本甲状腺学会認定施設として認定(全国208施設)されました。

【外来日時】

毎週水曜日  13時20分~15時00分 ※完全予約制

専門検査・先進医療

  • ホルモン検査・負荷試験(ホルモンの過剰もしくは不足の程度を判定します)
  • 下垂体MRI検査(下垂体の腫瘍性疾患や炎症性疾患の鑑別を行うことができます)
  • 甲状腺エコー検査(エラストグラムを含む最新の検査が可能です)
  • 甲状腺穿刺細胞診/組織診(腫瘤の良悪性を調べることができます)
  • 腹部ダイナミックCT検査(副腎や膵臓の腫瘤性病変の鑑別を行うことができます)
  • 骨塩定量(骨粗鬆症の判定ができます)
  • 血圧脈波速度(血管年齢が判ります)

医師紹介

役職
(出身大学/医学部卒業年)
氏名 資格等
内分泌・糖尿病内科部長
(岐阜大学/平成2年)
奥村 中 医学博士(病理学)
名古屋大学臨床准教授
日本内分泌学会専門医・指導医・評議員
日本糖尿病学会専門医
日本甲状腺学会専門医
日本内科学会認定内科医
臨床研修指導医
非常勤医師
(岐阜大学/平成23年)
滝 啓吾 日本内科学会認定内科医

学術活動

学会発表

  • 竹田和弘 .類もやもや病を合併したバセドウ病の1例.第227回日本内科学会東海地方会.2015年10月
  • Ataru Okumura. Dexamethasone-Suppressed Cosyntropin Stimulation Test -a Potential Marker of Aldosterone Producing Adenoma ,ENDO 2015 ,San Diego
  • 木村武博 .トリメトプリムの感染症予防量投与に伴う電解質異常の発症頻度.第223回日本内科学会東海地方会.2014年6月

学術出版

  • 奥村 中.浮腫で疑うべき内分泌疾患は何ですか? 内分泌診療のファーストタッチ, pp 74-78,2013
  • 奥村 中.内分泌疾患による高血圧患者でのホルモン値(カテコールアミン値、レニン・アルドステロン)の評価について教えてください.内分泌診療のファーストタッチ, pp 136-140,2013

論文

  • Kanako Tanase-Nakao, Mitsuhide Naruse, Kazutaka Nanba, Mika Tsuiki, Tetsuya Tagami, Takeshi Usui, Hiroshi Okuno, Akira Shimatsu, Shigeatsu Hashimoto, Takuyuki Katabami, Atsushi Ogo, Ataru Okumura, Hironobu Umakoshi,Tomoko Suzuki. Chronic kidney disease score for predicting postoperative masked renal insufficiency in patients with primary aldosteronism. Clin Endocrinol (Oxf).2014 Nov;81(5):665-70
  • Kazutaka Nanba, Mika Tsuiki, Kuniko Sawai, Kuniaki Mukai, Koshiro Nishimoto, Takeshi Usui, Tetsuya Tagami, Hiroshi Okuno, Tetsuro Yamamoto, Akira Shimatsu, Takuyuki Katabami, Ataru Okumura, Gen Kawa, Akiyo Tanabe, Mitsuhide Naruse. Histopathological diagnosis of primary aldosteronism using CYP11B2 immunohistochemistry. J Clin Endocrinol Metab.2013 Apr;98(4):1567-74
  • Ataru Okumura et al. Urine output and resultant osmotic water shift are major determinants of plasma sodium level in syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion. Translational Research Vol. 162, Issue 1 (2013), 56-63