歯科口腔外科
目次
概要と特色
当科は歯科口腔外科を標榜しており、歯科口腔外科的な疾患(口腔粘膜疾患、炎症性疾患、顎関節疾患、外傷性疾患、嚢胞性疾患、腫瘍性疾患など)、有病者歯科治療、デンタルインプラントを中心に行っています。特に、顎関節疾患、口腔腫瘍、顎変形症、顎顔面外傷、デンタルインプラントなどに力をいれており、顎関節疾患には、各種最新の画像診断後に患者さんの個々に適合する治療法を選択し、施行しています。顎の状態が悪くインプラント適応外であった方には顎提造成術を導入していますので、一度ご相談ください。初診受付は、月〜金曜の午前9時から11時30分までですが、急患は随時受け付けています。また、当科は紹介患者優先、予約初診を行っていますので、待ち時間が気になる方は、こちらをご利用ください。
主な疾患と治療について
1.埋伏智歯抜歯
- 全身麻酔、静脈鎮静、日帰り抜歯と患者さんのニーズに応え選択可能です。
- 静脈鎮静+局所麻酔、全身麻醉下一括抜歯は一泊二日の入院(手術当日の朝に入院、午後から手術、翌日の昼頃退院)で経済的にも社会的にも患者さんの都合を考慮して行っています。
2.デンタルインプラント
- 外来にて全身状態(問診、採血、心電図、尿検査等)のチェック、CTにてコンピュータ一解析(SimPlantを使用し、骨の量や骨質等を分析します)を行い、十分インプラントが可能か判断します。
- 手術日を決めた後、主に日帰りにて通常の局所麻酔に静脈鎮静を併用し、患者さんにはなるべく楽な状態かつ安全な状態でインプラント手術を行っています。手術は中央手術室で行うため、術中どのようなトラブルの発生があっても迅速適切に対応可能です。
- 有病者インプラントに対しても術前に十分状態分析後、対応可能です。
- 透析治療中、糖尿病、その他抗血栓治療中の方にも術前、検査データをもとに安全に行っています。
- インプラント埋入時の骨量不足に対しては、骨移植、骨形成、サイナスリフト等にて対応可能です。
3.口腔・頸骨腫瘍
術前、CT/MRI[等にて十分診断の上、安全QOLを考慮した治療を行っています。
4.顎顏面変形症
当科と協力関係にある歯科矯正医と連携し、その方にあった治療方法で手術的治療を行っています。
5.顎関節症
学会等のガイドラインに沿い、画像診断、初診時状態を十分把握し、初期治療(生活指導、リハビリ、消炎鎮痛剤、スプリント等)より治療を開始、重症例には顎関節洗浄治療、入院下顎関節手術まで行っています。当科では治療に際しては可及的に内視鏡下手術にて低侵襲にて行っています。
6.顎顏面外傷
適切な画像診断後、最新のミニプレートシステム等にて入院期間の短縮を考慮して治療しています。
7.有病者歯科
入院中の方や基礎疾患のため開業歯科では治療して頂けない方に関しても対応可能です。
(例)抗血栓療法中の方、透析中の方、高血圧、糖尿病、ビスフォスフォネート服用中の方、キシロカインアレルギーのある方等
8.その他
原則として唇裂口蓋裂以外の口腔外科疾患はすべて対応可能です。
医師紹介
役職 | 氏名 | 資格等 (出身大学/医学部卒業年) |
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第一歯科口腔外科部長 | 市原 秀記 | 日本口腔外科学会専門医・指導医 歯科医師臨床研修指導医 日本癌治療認定機構・暫定教育医 医学博士 (朝日大学(旧岐阜歯科大学)/1983年卒) |
第二歯科口腔外科部長 | 安田 聡 | 歯科医師臨床研修指導医 医学博士 (九州歯科大学/1988年卒) |
歯科口腔外科医長 | 深本 真央 | 日本口腔外科学会認定医 (広島大学歯学部/2016年卒) |
入院手術症例 診療実績(5年間)
入院下全身麻酔及び静脈内鎮静法による手術症例数 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
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A-1 埋伏智歯抜歯術 | 240例 | 217例 | 184例 | 210例 | 240例 |
A-1 歯根端切除術 | 30例 | 20例 | 17例 | 31例 | 30例 |
A-1 抜歯(難抜歯 等) | 59例 | 99例 | 83例 | 60例 | 59例 |
A-2 下顎隆起形成術 | 11例 | 2例 | 9例 | 4例 | 11例 |
A-2 顎堤形成術 等 | 2例 | 1例 | 1例 | 4例 | 2例 |
A-3 上顎洞底拳上術 | 10例 | 8例 | 8例 | 8例 | 8例 |
A-3 インプラント摘出術 | 3例 | 4例 | 3例 | 3例 | 3例 |
A-3 インプラント植立術(入院全身麻酔下)等 | 1例 | 0例 | 1例 | 2例 | 1例 |
B-1 腐骨除去術 | 4例 | 10例 | 15例 | 15例 | 4例 |
B-1 顎骨骨髄炎消炎手術 等 | 8例 | 2例 | 1例 | 7例 | 7例 |
B-2 顎骨嚢胞摘出術 | 56例 | 66例 | 58例 | 60例 | 56例 |
B-2 軟組織腫瘍切除術 | 25例 | 10例 | 15例 | 13例 | 25例 |
B-2 顎骨腫瘍摘出 | 24例 | 8例 | 15例 | 5例 | 24例 |
B-3 顎下腺摘出術 | 1例 | 0例 | 3例 | 1例 | 1例 |
B-3 唾液腺腫瘍手術 | 0例 | 0例 | 0例 | 0例 | 0例 |
B-4 上顎洞根治術 | 1例 | 0例 | 2例 | 0例 | 1例 |
B-4 口腔上顎洞瘻孔閉鎖術 等 | 0例 | 0例 | 1例 | 1例 | 0例 |
C-1 下顎骨骨折手術(関節突起以外)、顎骨骨折手術 等 | 5例 | 3例 | 8例 | 5例 | 5例 |
C-2 下顎枝矢状分割術 | 5例 | 3例 | 2例 | 8例 | 4例 |
C-2 Le Fort I 骨切り術 | 3例 | 3例 | 2例 | 6例 | 3例 |
C-3 顎関節手術 | 0例 | 0例 | 1例 | 1例 | 0例 |
C-3 顎関節脱臼観血手術 | 0例 | 0例 | 0例 | 0例 | 0例 |
C-3 筋突起過長症手術 | 0例 | 0例 | 0例 | 1例 | 0例 |
D-1 口腔悪性腫瘍手術(頸部郭清含む) | 6例 | 10例 | 26例 | 14例 | 6例 |
D-2 局所皮弁移植術 | 0例 | 0例 | 0例 | 0例 | 0例 |
全身麻酔 | 307例 | 268例 | 278例 | 290例 | 307例 |
静脈鎮静法 | 203例 | 205例 | 181例 | 181例 | 203例 |
口腔外科疾患入院患者数 | 423名 | 433名 | 424名 | 395名 | 423名 |
外来新患者数 | 1,300名 | 1,344名 | 1,400名 | 1,500名 | 2,125名 |