「緩和ケアセンター」緩和ケアについて

2024年05月20日 お知らせ

目次

第133回 緩和ケア勉強会の講演内容をご案内いたします。

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テレビで、頻繁にがん保険のコマーシャルをやってますが、ご家族の中でがんに罹った方がいたり、将来の備えと安心のために、がん保険や医療保険に加入される方も多いと思います。
 今回は、最新のケアやサポートについてご紹介したいと思います。

        

        

Q: がんに罹ったあとも豊かに自分らしく暮らしていくポイントはなんでしょう?
A: 「早期からの緩和ケアを受けて、よりよく生きる。」ことです。

 

Q: がん患者さんやご家族に、緩和ケアは一体なにを提供することができるのでしょうか?
A: 治療に専念する医師は、手術や化学療法、放射線療法などによってがんの完治や縮小を目指します。しかし、がんに罹ることは、診断を受けた当初から生活に大きな支障をもたらし、家族にもしばしば深刻な影響を及ぼします。緩和ケアはこのような療養生活の中で起こる様々な問題への対応を担ってきました。

 

Q: 療養生活の中で起こる様々な問題とは、かなり広範囲ですね!どのような内容ですか?
A: 緩和ケア外来に紹介を受けて来られたほとんどの患者さんは、「自分のがんはこんなにまで進行してしまったのか」と不安をかかえながら受診されます。これは無理もないことですが、緩和ケアは終末期に受けるケアであるという誤解と、緩和ケアの必要性を感じて紹介された主治医の意図を十分に理解されていないことからくると思います。そこで緩和ケアを診断の早期から受ける意義について考えてみたいと思います。

 

Q: 緩和ケアは終末期に受けるケアと誤解される患者さん多いようですね!緩和ケアを診断の早期から受けるメリットを教えてください。
A: 私たちはがんの診断を受けますと、まずがんの完治や縮小に向けて治療に入ります。一方療養生活においては、痛みなどの不快な症状、仕事の継続や病状の進展に対する不安・心配、ご家族の心労や療養場所の選択、そして治療費や福祉制度などの生活上の様々な問題に直面します。このように治療以外の多くの問題が緩和ケアの対象になるため、がんと診断された早期から緩和ケアが必要になります。

 

Q: 緩和ケアって、からだのケアだけでなく、心のケアも!生活のこと、仕事のこと、家族のこと。人生そのものですね。
なぜ、緩和ケアについて誤解が生じたのでしょう?
A: WHOは、緩和ケアを「治癒を目指す治療行為に反応しない患者に対するケア」と定義し(2002年改訂)、終末期の患者さんを対象としたため、診断の早期から緩和ケアを行うようになったのはまだ日が浅く、多くの患者さんが緩和ケアに紹介されると、自分はもう手遅れの患者なのだと不安になられるのももっともなことと思います。

 

Q: 20年前と今では取り組みが随分違うのですね!最新のケアやサポートについて教えてください。
A: 当院の緩和ケアの提供は、緩和ケア外来、緩和ケアチーム、緩和ケア病棟にボランティアの協力によるデイケアを含めた体制で行い、他の医療機関や在宅ケア医と協力して緩和ケアを進めています。そして患者さん・ご家族の様々な問題に対処するため、医師、看護師、薬剤師、栄養管理士、理学療法士、リンパ浮腫療法士、医療ソーシャルワーカーなどの多くの職種がチームを組んで対応しています。

 

Q: 東海中央病院の多くのスタッフ、そしてボランティアさん。クリニックや在宅ケアの先生との連携。色々な方に支えられているのですね。
どこに相談すればいいのですか?
A: 早期からの緩和ケアにおいて緩和ケア外来は大きな役割を果たしています。外来では患者さんの病状や治療に対する希望など、療養上の問題を把握するとともに、緩和ケア病棟と連携し、ご家族の介護負担の軽減のためのレスパイト入院や、病状悪化の際の入院などに対応しています。このようなバックアップ体制があることは、患者さん・ご家族が日常生活を送るうえでの安心感につながります。

 

Q: 最後まで読んでくださった皆様に抱負をお伝え下さい。
A: 患者さんには、病人としてではなく、病を持ちながらしっかりと自分の生活をしていく生活者として、地域において安心安全に暮らしていただけるように努めていきたいと思っています。

 

緩和ケアセンターより

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 緩和ケアセンターの詳細は下のリンクボタンよりご覧ください。

東海中央病院の緩和ケア病棟は、重い病を抱える患者様の苦痛を緩和し、「あなたらしく過ごせる」ように身体と心を支える病棟です。「がん」と診断されたら、まずは緩和ケア外来にご相談ください

  • 痛みなどの体の症状でお困りの方
  • 気分が落ち込み意欲がわかない、夜が眠れない、気持ちが落ち着かないなどの症状でお困りの方
  • 自分の現在の状態、今後の治療についてよくわからず、詳しく説明をご希望の方
  • 自宅での療養をご希望の方
  • ご家族自身の心労についての相談、診療
  • 患者さんの介護についての相談
  • 経済的保障、社会福祉制度の利用についての相談

緩和ケア外来の受診には、予約が必要です。現在、治療を受けている医療機関から予約をお取りください。

   

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