「緩和ケアセンター」緩和ケア通信No.11《その人らしい暮らしの支援 ~訪問看護の現場から~》

2024年02月26日 お知らせ

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12月の勉強会は「その人らしい暮らしの支援~訪問看護の現場から~」というテーマでお話をしました。緩和ケアとターミナルケアにおいては、病気の治癒が望めないと判断された時期から人生の最期を迎えるまでの間、人間らしくすごしていくことを目的としています。

各務原市の人口の推移

各務原市は市政60周年。60年前と比較し人口は約2倍。現在90歳以上の方が2,100人、20年後には5,000人を超える見通し(人口は変わらない)です。ニーズも多様化することが予想されています。

岐阜県令和元年度県政モニターアンケート

療養の希望場所においては63.3%の方が自宅等で過ごしたいと希望される一方で、最後まで自宅で療養することが可能かどうかにおいては63.6%の方が困難であると回答されています。その理由として、家族への負担と居住環境が整っていないという療養環境の課題、症状が急に悪くなった時の対応が不安、かかりつけ医がいない、24時間相談にのってくれるところがない、訪問看護が整っていないというインフラの課題があります。

人間らしくすごしていくこと

人間らしくすごしていくために、意思決定支援は重要です。気持ちは揺らぐことを前提として、納得できる生き方=納得のできる選択ができることが重要です。特に人生の最終段階においては、何が正解なのかわからず、選択のやり直しができないことが多いです。だからこそ「納得のできる選択」がより重要になります。人生会議が人生決議にならないように「何を選んだ」よりも「どう選んだか」の支援をさせて頂いています。意思決定支援のツールとして、各務原市では今後の治療・ケアについて患者さん・ご家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス【ACP(Advance Care Planning:アドバンス・ケア・プランニング)】の前段階として、【ALP(Advance Life Planning:アドバンス・ライフ・プランニング)】人生アルバムを作成して出前講座を実施しています。

在宅医療という選択肢

通い(外来)から、入院、そして在宅とお身体の状況に応じて、必用な医療・福祉サービスを受けることができます。在宅においては専門的な知識を持つ医療職・介護職が連携して自宅等を訪問させて頂くことができます。訪問看護では、かかりつけ医の指示を受けた看護師やセラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が、病気や障がいを持った人の住み慣れたご家庭などに訪問し、その人らしく過ごせるように看護ケア(健康状態の観察、病状悪化の防止、身体の保清、排泄介助と指導、療養生活の相談やアドバイス、医療機器の管理、リハビリテーション、緊急時の対応、ご家族等への介護指導や相談、多職種との連携、意思決定支援)を提供したり、医師の診療の補助(例:採血、点滴、薬剤の管理、床ずれの処置と予防など)をし、療養生活を支援しています。

(みんなのかかりつけ訪問看護ステーション
  事業所長塚原稔世様)

  

今年度は通信発行の前月に実施した勉強会の内容を通信としてお知らせしてきます。興味を持たれましたら是非勉強会にもお越しください。

公立学校共済組合東海中央中央病院
緩和ケアセンター
2024年2月

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