「心理療法室」ストレスとの付き合い方
2024年05月30日 お知らせ
みなさんは、ストレスを解消するためにどんなことをしていますか?
旅行、散歩、映画、音楽、読書など、人によってさまざまなストレス解消法があります。それらは、うまく活用するとみなさんの人生を豊かにしてくれます。ただ、解消できないストレスであった場合、それでもそのストレスを解消しないといけないものとして思い詰めてしまっていませんか?
仕事や日常生活に支障をきたすストレスや不安をどのように克服すればいいですか?
「解消できないストレスをなんとか解消しようとして、それでも解消できないことそのもの」がストレスになってしまうことがあります。「仕事がうまくいかないという悩みがあるけど、その悩みやストレスが解消できないから、仕事に行きたくない」「人前でうまく振る舞えるかわからないから不安だけど、その不安やストレスが解消できないから相手に会いたくない」など、実際に仕事や日常生活に支障がでてしまう人もいるでしょう。これらの心配事は、ある種の完璧主義や強迫観念からきているといえます。「完璧でないと気がすまない」「ストレスでさえも解消しないと気がすまない」となるような考えが頭に浮かび、そのことを無視できない状態です。
現実的には、自分が感じるストレスのうち、すぐに解決できることは解決してしまったほうがよいでしょう。たとえば、「暑いから冷房をつける」「お腹が空いたからご飯を食べる」といったものです。あまりコストがかからず、短時間で解決できるものは先に解決しておいたほうが本来の自分のやりたいこと、やるべきことに専念することができます。ですが、「相手の考えていることが気になって仕方がない」「考えないようにしても何回も思い浮かべてしまう」「ストレス解消法をしたのにまたストレスになってきた」といったように、すぐには解決できないこともあります。その上で、「悩みが解決するまでは次にいけない」といったような完璧主義や強迫観念があると、すぐに解決できない悩みであった場合に本当に次に行けなくなってしまいます。そして、自分がやりたいこと、やるべきことに専念することができなくなってしまいます。このような事態を防ぐためには、やりたいこと、やるべきことのうち、目の前のなんとかできることから手をつけ、そこに専念することが重要です。
やりたいこと、やるべきことが明確ではない場合や、それらが明確ではあるけど自分にとってまだハードルが高すぎる場合も、ついついお手軽なストレス解消法ばかりしてしまい、時間や体力を浪費してしまうことがあります。
やりたいこと、やるべきことが明確になっているか、今の自分にとってハードルが適切かを確認しながら、目の前のことに専念することを目指すとよいでしょう。
最後に、やりたいこと、やるべきこと。ハードルが適切か?わからないと悩んでいる方にアドバイスをお願いします。
自分ではどうしてもそれらがわからないこともあります。そういうときこそ、周囲の味方に相談してみるとよいでしょう。その上で、どうしても心配事に心をとらわれてしまう場合は、心の専門家に相談することも役に立つでしょう。
心理療法室